2008.11.02 Sunday
★ラジニ様「スリランカ在住タミル人の殺害に抗議する断食集会」に参加

▲集会に参加したラジニ様。
通常は「白」のドーティー(インド伝統衣装)を着ることが多いラジニ様ですが
今回は抗議の意味をこめて、黒の衣装と黒のサングラスでの参加です。
11月1日(土)の朝から半日間にわたって
タミル俳優協会(会長:サラットクマール)主催の
「スリランカ在住タミル人の殺害に抗議する断食集会」が
チェンナイにて開催され、ほぼ全てのタミル俳優が参加しました。
名目は表題のとおりですが、実質的には
この問題に介入しないタミルナドゥ州政府への抗議の意味もこめられています。
スリランカでは、シンハラ人中央政府と、主に北東部を拠点とするタミル人勢力が
30年以上にわたって内戦を繰り広げており(一時休戦後もこれを撤回)、
多くの犠牲者が出ています。
特に、タミル人自治組織LTTE(タミルイーラム解放の虎)は
自爆テロなどを繰り返す実質的なテロ組織となっており、
国際社会からも警戒されています。
しかし実際は、スリランカ中央政府も多くの一般タミル人を殺害しており
今回はこれに対する抗議を示す断食集会となりました。
これより前、スリランカとの国境に近いラメッシュワーラムで行われた
タミル人映画関係者による集会では、過激な発言やLTTEを支援する発言、
この問題に積極的に介入しないタミルナドゥ州政府への批判発言等により
逮捕者まで出たため、俳優協会会長は
「スピーチではこれらの発言を避けるよう」各参加者に要請していました。
この要請に従い、一部を除く各俳優とも過激なスピーチは避け
・スリランカ国内でのタミル一般人の安全確保
・スリランカ沖で操業する漁業関係者の安全確保
を主張するに留まりました。
ラジニ様も壇上に上がり、力強くかつ誰をも傷つけないスピーチを披露。
またスリランカ在住タミル人の安全確保・臨時病院などの設置を支援するため
まず100万ルピー(約200万円)の寄付を行うことを明らかにし
内外から賞賛の声が上がっています。
http://jp.youtube.com/watch?v=mQQ7ZUEPx0U
▲ラジニ様のスピーチ映像(SUNTV)
また、先日浅野忠信との共演映画制作が発表されたラジニ様の盟友・
カマラハッサンも50万ルピー(約100万円)を寄付、
さらに事前に近づいた自身の誕生日を「今回は祝わないで欲しい」と
ファンに要請しました。
これまでにもタミル俳優協会主催の集会は何度か行われたことがありましたが、
政治的な考えの違いなどから、足並みが揃わないことが多発していました。
しかし今回はラジニ様のようなスーパースターから
脇役俳優・コメディアンまでほぼ全てのタミル俳優が出席、
集会はほぼ成功裏に終了したと言えるでしょう。

▲会場で抱擁するラジニ様と”キャプテン”ヴィジャイカント。
この2人はファン同士で対立することが多いですが
本人同士はそれほど意識していないようです。
ヴィジャイカントは俳優兼政治家ということもあり、要請を一部無視して
タミルナドゥ州政府への苦言も述べました。
また、一部俳優からは「スリランカタミル人をタミル州内に移住させれば良い。
そのための土地を確保すべき。」という意見も出ましたが
「なぜ原住民のタミル人が、オリッサから後でやって来たシンハラ人に
追い出されなければならないのか。」と訴える俳優もいて
一時論戦となりました。

▲集会に参加した俳優たち。
一番前の列真ん中・黒のサングラスがラジニ様、
ラジニ様の向かって左側にサラットクマール、右側がカマラハッサン。
| 現地(インド)発・一般情報 | 00:00 | - | - | - | - |